Mercedes‑Benz 500SL は
流麗なフェンダーアーチ、厚みあるボンネットの張り出し、
リアにかけて絞られていくショルダーライン——
その曲面（カーブ）こそデザインの主役です。
しかし、この曲面は同時に
光を乱反射させやすく、洗車摩擦や経年スケールの影響が平面より目立つという特性も持っています。
つまり**「下地を整える研磨（ポリッシュ）の精度」**が、
500SL本来の美しさを生かせるかどうかの分岐点になります。
🧠《GENTLEが名車500SLで常に意識する皮膜設計》
私たちは創業以来、ポルシェをはじめとするスポーツ塗装や
クラシック塗装に対して——
- pH（酸度/アルカリ度）によるクリア層の変化観察
- 油脂被膜・排ガススケール・無機スケールの固着力測定
- 溶剤の滞留時間と架橋（硬化）の関係
- 曲面に塗布した際の膜圧の均一化・ムラ検証
など“塗装研究を前提とした施工設計”を行っています。
この検証の蓄積こそが
「曲面の美しさを引き出すコーティング設計」という
当店の哲学です。
🧼《まず最初にやること ＝ 内部ミネラル核を崩す洗浄設計》
研磨（ポリッシュ）前には以下の工程で下地を徹底的に整えます。
- 純水を使用したプレウォッシュ（一次洗浄）
- 酸性/アルカリ性の使い分けケミカル二次洗浄
- 鉄粉除去による金属核の分解除去
- クローム・樹脂の変色因子をリセット
この工程は、古くからの十王信仰でいう
**“裁き手が現車の状態に応じてケミカルを使い分ける”**ように、
パネルごとに溶剤特性を変えて処理します。
※ 500SLは新車ではないので、
「もともと美しい素地を“呼び覚ます”作業」です。
🏗《基礎工事の精度が上物（＝艶）を決める》
車の研磨工程は、よく住宅業界の基礎工事に例えられます。
- 皮膜が密着しない下地にコーティングは定着しない
- 曲面が整っていないと照明写りが濁る
- スケール核があると雨染みの再発生が早まる
- 微細キズが多いと“濃色の奥行き”が死ぬ
つまりはこの段階が
「コーティングの耐久と光沢の質を決める基礎（ベース）工程」です。
🔧《研磨3工程＋ガラスコーティングで曲面を“魅せる方向”へ》
500SLで最も効率の良い施工設計として、
以下が基準になります。
① ソフトタッチ研磨（1stポリッシュ）
- ミネラルスケールの可視因子を分解
- クロス洗車でついた引きキズを軽減
- フェンダー曲面の透明度を上げる
② 3段階精密ポリッシュ（2nd/3rd研磨）
- 乱反射のヘアラインを一本も見逃さない
- 「面ではなく線で磨く」ジェントル独自の曲面追従研磨
- 18インチ以上のキャリパー・スポーク裏面も研磨設計対象
③ ガラスコーティング3液＋被膜3層
- シロキサン系と違い黄変リスクなしで長期保護
- 曲面でもムラになりにくいスプレー吹き付け架橋術
- 親水 or 撥水基を車両環境に応じて選べる
これにより、GT4やRSのような走行中心のユーザーだけでなく
「旧車の曲面をショーカーのように魅せたいオーナー様に最適」な設計になります。
💡《施工するとどうなる？（500SLの場合）》
| ベネフィット | 効果 |
|---|---|
| 曲面の光透明度が向上 | 立体デザインがくっきり |
| 雨後の水残りが減る | 無機シミ発生率の低下 |
| クロス摩擦キズ削減 | 濃色の奥行きが復活 |
| ブレーキダスト固着軽減 | キャリパー発色が維持 |
| リム・スポーク裏も吹付3層 | 洗浄が圧倒的に楽 |
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